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2024.12.20 2024.12.21

デザイン思考×AI ビジネスパーソンも「クリエイター」

「クリエイター」という言葉を聞くと、多くの人が音楽、アート、アニメといった創作活動に携わる人々を思い浮かべます。しかし、イノベーションを生み出す手法として注目されている「デザイン思考」の普及により、「クリエイター」という概念はビジネスパーソンにも広がりつつあります。ビジネスの現場では、AIを活用しながら創造性を発揮し、新たな価値を生み出す能力が求められており、デザイン思考の思考法がその基盤を支えています。

AIでより深化するデザイン思考

デザイン思考とは、人間中心のアプローチで課題を解決し、新たな価値を生み出す思考プロセスを指します。このアプローチは、共感から始まり、問題を明確化し、創造的な解決策を試行錯誤しながら導き出すことを重視します。こうしたプロセスは、AI技術の進化と融合することで、従来の「クリエイター」と「ビジネスパーソン」の境界をなくし、両者を結び付ける役割を果たしています。

ビジネスパーソンはAIをツールとして活用しながら、ユーザーに共感し、付加価値の高いサービスや製品を生み出す「クリエイター」としての役割を果たせるのです。

AI時代に求められる「ストーリーテリング力」



大学の研究やビジネスの現場で、「地域の観光資源を活用した新しいサービスを提案する」という課題が出されたとします。このような場面で、AIを活用した次のようなアプローチが考えられます。

  1. 課題の本質を明らかにする
    まず、地域住民や観光客へのヒアリングを行い、統計データや既存の情報を調査することで、課題の本質を洗い出す。
  2. AIによるデータ分析とアイデア創出
    次に、AIを活用して観光データを分析し、潜在的なニーズやトレンドを抽出する。AIと対話を繰り返しながら、具体的なサービスの方向性を探る。
  3. プロトタイピングと提案内容の構築
    最後にまたAIを活用してプロトタイプを(試行錯誤して)作成、アイディアを「見える化」し、提案内容を現実的で効果的なものに仕上げる。


デザイン思考とAIを組み合わせることで、実践的な課題解決スキルを養うだけでなく、AIが提供する豊富な情報から新たなインサイトを得て、イノベーションの可能性を体感することができるのです。


2024年秋にリリースされたばかりの、テキストから図解やグラフを生成するAIツール「Napkin ai」が話題沸騰中です。私もさっそく使ってみました。

「これ、すごい!便利!」

ただし、適切なテキストを入力しないと、生成された図解に不自然なワードやテキストが埋め込まれてしまうことがあります。AIに正しい指示を出し、対話しながら調整する必要があります。また、図解のテンプレートには限りがあり、いくつかのパターンに決まっているため、その画像を資料にそのまま貼り付ければ一目で「Napkin ai」を使ったことがわかってしまいます。

私は資料に「Napkin aiを利用した」と正直に伝えています。このアウトプットのためにインプットを行ったのは自分自身であり、ビジュアライズの手段として「Napkin ai」を活用したのだと自信を持って言えるからです。

・Napkin ai  : https://www.napkin.ai/

AIは人間の創造性をサポート?

「AIが人間の創造性を奪うのではないか」という懸念もありますが、AIはむしろ、人間の創造性を補完し、加速させるパートナーとして機能しているように思います。

例えば、デザインやマーケティングの分野では、AIによるデータ処理や反復作業の自動化が、クリエイターやビジネスパーソンに、より多くの時間を創造的な活動に割ける環境を提供しています。また、AIは膨大なデータからインサイトを抽出し、新たなアイデアを生み出します。これにより、デザイン思考のプロセスが深まり、効率的になり、課題解決の質が向上します。

ただし、最終的な判断や作品の仕上げには、人間特有の感性が不可欠です。AIが担うべき役割は、創造性を「支援」することであり、人間の感性や直感が加わることで初めて真の価値が生まれるのです。

AIとデザイン思考が生む「共創」

現在、私たちはAIと人間が共創する時代に突入しています。この時代に必要なのは、AIをただのツールとして使いこなす能力だけでなく、AIと協力しながらデザイン思考を活用して創造的な価値を生み出す能力です。

例えば、企業ではAIを活用した製品開発やサービス改善が進んでいます。AIが提供するデータ分析をもとにユーザーの潜在的なニーズを理解し、デザイン思考のプロセスを通じて革新的なソリューションを構築する事例が増えています。さらに、企業がこれらの活動を通じて持続可能な社会貢献を目指すケースも増加しています。

ビジネスパーソンが「クリエイター」として成功するためには、AIリテラシーを磨き、AIと共創するスキルを身につけることが求められるのです。

HUB PLUSよりあなたの?を!に

デザイン思考にAIを組み合わせることで、ビジネスパーソンも「クリエイター(付加価値を生む人)」としての可能性を大きく広げられる時代になりました。モノ(有形無形問わず)を創り出す力は、ビジネスにおける重要な競争優位性となり、さらに経営者としての視点を加えれば、その力は一層大きく広がります。AIという「魔法の杖」を学生時代から使いこなし、社会に出ていきなり頭ひとつ(もっと)リードできるチャンス!「誰もがクリエイターになれる」時代を存分に楽しみましょう!

この記事の執筆者
ミッシェル

現役シニアiU生。雙葉学園から慶應義塾大学を卒業後、日系航空会社に入社。マーケティング&セールスからDX部門まで、エアラインビジネスの最前線に従事、働く女性の時代を駆け抜ける。 会社人生の終盤に、地元に新設されたiUに入学し、二度目の大学生活をスタート。2年次にZ世代学生2名と(株)MediAlphaを設立。幼少よりQUEENをこよなく愛し英国かぶれ。趣味はスポーツ観戦、ワイン(飲むリエ)、茶道(裏千家)。

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