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2024.12.03 2024.12.07

【ほぼマクドナルド!?】学園祭で決済のDX化を取り組む大学生をご紹介!

学園祭で決済のDX化システムが衝撃的!

11/9,10で開催されたiUFesのとあるブースで使用されていたシステムが驚きだったので紹介します。
 
学園祭で軽食や物品を購入する際は、現金か、あるブランドのキャッシュレス決済か…と決済方法が限られており、さらに、行列に並んで注文し、出来上がりもお店の前で待つ…というのが一般的です。

ですが、このブースではSquareと連携し、キャッシュレス・現金決済どちらも対応した独自システムが取り入れられていたのです。
しかもこのシステムはiU生が開発したとのこと。
これだけを聞くとただキャッシュレス決済を導入しているだけではないかという意見も出てくるかもしれませんが、このシステムの価値はここだけにとどまらないのです。
このシステムが決済のDXの事例として優れているのは以下の4点を実装したことにあります。

  • 注文管理システムによるオーダーミスゼロの達成
  • レシートとデジタルサイネージによる注文状況の公開
  • 即時決算による、素早い販売戦略の見直し
  • Starlinkによるポータブル性の確保

注文管理システムによオーダーミスゼロの達成について

今回の出展では二日間で約1000名に飲食を提供を行ったがオーダーミスゼロを達成することとなった。要因は本システムの中核にある。それは、顧客が決済をするとレシートの発行と同時に厨房にオーダーシートが印刷されるのだ。この仕組みにより、人の手を入れずに注文からオーダーまでが管理されるため、オーダーミスゼロを達成した。

レシートとデジタルサイネージによる注文状況の公開

顧客はレシートに記載のQRコードから専用サイトにて、調理の進捗を確認ができる。これにより提供までの待ち時間は、他の出展を見にいくことが可能となり、顧客を待たせるという行為をなくした。また受け取りの際は、レシートに書かれた注文番号がデジタルサイネージに表示される仕組みであるため、商品受け渡しでのミスが無くなった。イメージとしてはほぼマクドナルドのシステムと同じである。

即時決算による、素早い販売戦略の見直し

決済システムにはSquareを導入しており、リアルタイムでの決済情報が確認できる。これによって、1日目が終了した時点で、翌日の売り上げ予測を元にした仕入れや客単価を上げるための施策など反省点を活かして、検討、実行を行うことが可能となった。これにより、2日目の売り上げは150%上昇、客単価は100円ほど上げることができたそうだ。

Starlinkによるポータブル性の確保

当日は野外での出店であったため、ネットワークの確保が必須である本システムの運営に課題があった。そこで導入を行なったのがStarlinkである。Starlinkによって、どこでも安定したネットワークの確保が可能となり、今後、どのような環境でも本システムを活用することができることとなった。

開発者「既存のキャッシュレス学園祭はダサい」

開発者の村田圭梧さん()に今回のシステムについて開発秘話をお伺いしました。

今回のシステムを開発した理由を教えてください

村田「学園祭のキャッシュレス対応というのは、いろんな学校が取り組みとして行なっていて流行しています。しかし、実態は決済事業者の専用アプリケーションを普及させるためのキャンペーンのようなもので、専用アプリが必要な時点でキャッシュレスによるユーザーの利便性の向上に繋がるようなものではありません。そこで、誰でも現金とキャッシュレス(クレジットカードやQRコード決済)を自由にユーザーがストレスなく使えるものを作っていく必要があると思い開発しました。先ほど言ったような、一つの決済サービスに頼り切るような、既存のキャッシュレス学園祭はダサいと思ったので笑」

今回、実装にあたって難しかったことは何ですか?

村田「実は、今回作ったシステムは、昨年の学園祭でも実装をしていて今回はそのアップデート版なんですよね。システム自体はもう大半が出来上がっていて、実装での難しさというのは特にありませんでした。一方で、当日、想定より注文数が多く、サイネージの画面が埋まりすぎて、ちゃんと表示されないということで、当日、修正をしたりみたいなことはありましたね。実際に運用してみないとわからないこともあるので、当日までに実験をする場というのが少なかったことが難しかったところですね。」

今後、このシステムはどのようにしていくのですか?

村田「そうですね。私も4年生でもう卒業をしてしまうので、システムは後輩に託しながら学園祭で引き続き使ってほしいなと思います。一方で、今回作ったシステムはSaaSとしての価値もつけられると思うので事業化をしていくのもいいのかなとも思っています。全国の学園祭、野外イベントで今回の決済システムが導入されていくなんて夢じゃないのかなと。」

編集者より

今回のシステムはDXのモデルとしてはなかなかに面白いものだったのではないだろうか。人の手が介在するところを徹底的にデジタルに置き換え、ヒューマンエラーを極限まで無くす。そして、リアルタイムの売り上げデータによって販売戦略を立て直すということが可能となった。模擬店のレベルでここまで対応ができるのは衝撃的である。今後の模擬店、屋台などの野外出展におけるキャッシュレスの可能性が広がるプロダクトにつながるのではないだろうか。

この記事の執筆者
瓜生雄羽

2002年生まれ 桐朋高校よりN高等学校に編入。 高校を卒業後、配信などの業務アシスタントを経て、フリーランスのカメラマンとして活動。 2022年のiUに入学し、翌年2023年に株式会社MediAlphaをCMOとして立ち上げ。現在は同社にてクリエイティブディレクターとしても活動している。

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