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2024.11.29

AI時代のビジネス英語学習 ~使えるスキルをゲットしよう!

近年、AI翻訳・サマリーツールが急速に進化しています。こうしたツールは、大学でのビジネス英語教育に大きな影響を与えており、特に英語に苦手意識を持っていた学生にも、積極的に学習に参加できる機会を提供しています。従来のビジネス英語教育は「正確な表現」や「文法」に重きを置く傾向がありましたが、AIツールの登場によって、英語を「使いこなす」力を重視した新たな教育方法が可能になってきました。

AIツールがもたらすビジネス英語教育の変化

大学でのビジネス英語教育は、単なる言語学習の枠を超え、グローバルな場面で英語を「活用する」スキルを培う方向にシフトしています。例えば、私が通うiU(情報経営イノベーション専門職大学)では、ビジネス英語の授業でAIツールの積極的な使用が推奨されており、これにより授業のレベルが格段に向上しています。教員は、AIツールを学生が正確なビジネス表現を学ぶための補助だけでなく、国際的なビジネスマナーや交渉スキルを学ぶためのサポートツールとして捉えています。AIツールは、前後の文脈を理解し、ビジネスシーンに合わせた適切な翻訳や表現をサポートしてくれるため、実際の場面で使えるスキルを磨くことができます。その結果、「意味は通じるけれど、なんだかおかしい」といった表現のミスも起こりにくくなります。また、自力で調べたり試行錯誤する時間を大幅に削減し、適切な表現や改善点を瞬時に提示してくれるため、効率的に学習を進めることができます。

新しい学習環境の可能性

AIツールを使うことで、学生は自分の意見や考えをより自信を持って表現できるようになります。特にDeepLやChatGPTは高い翻訳精度を持ち、QuillBotやPerplexity AIでは文書やPDFの要約が簡単にできるため、リサーチ資料やビジネス関連の情報を短時間で理解する際に非常に役立ちます。これにより、学生はビジネス英語の基礎を素早く習得し、さらに応用的な議論や表現に取り組む時間を増やすことができています。こうしたAIツールの導入により、実際にビジネスの現場で役立つ「応用的な英語」を学べる環境が整いつつあります。

学習支援としてのAIツールの役割

私が特に好んで使用するのはQuillBotとPerplexityです。QuillBotは高度なリライト機能を備え、英語表現を洗練させたいときや異なる言い回しを探したいときに便利です。一方、PerplexityはPDFをそのまま読み込んで要約してくれるため、長いビジネス文書やリサーチレポートの理解が格段に効率化されました。こうしたツールの力を借りることで、英語に自信がない学生でも、ビジネス関連の専門知識を素早く把握し、授業の内容やディスカッションに積極的に参加できるようになります。

AIツールとビジネス英語教育の考察

私は、ずいぶん昔に英米文学科を卒業しています。受験勉強のために中高時代は相当な時間を英語学習に費やし、その結果、大学では高校生までの英語力でほとんどの授業に対応できました。ただし、英米文学科の授業は英語そのものを学ぶものではなく、英語圏の文学や文化を深く研究する場でした。重要なのは、原文を読み込む力とともに、文学的な考察や文化的背景を理解する力です。当時は教授が「訳本」の活用を認め、原文の重要な部分にフォーカスして議論を深めることを推奨していました。

この経験から感じるのは、ビジネス英語教育でも同じことが言えるという点です。英語力はもちろん重要ですが、それ以上に、グローバルビジネスのお作法や考え方、場面ごとの決まり文句を理解することが肝心です。また、著名人の演説やインタビューから学ぶエッセンスを、訳ではなく英語表現そのままで吸収する「つまみ食い」の学び方も有効です。AIツールは、こうした効率的で多面的な学びを可能にし、タイムパフォーマンス(タイパ)の向上につながります。

AIを使った英語学習の課題と注意点

AIツールは非常に便利ですが、必ずしも出力が正しいとは限りません。AIへの「適切な質問力」も重要です。AIの回答を確認もせずにそのまま授業で発表し、教師の質問に答えられなかったり、回答の意味を理解していなかったりすることはよくあります。しかし、こうした「つまずき」から学び、AIの回答を再確認するプロセスは大いに意味があります。英語が苦手な人の底上げを図る一方で、英語力が高い人にとっては新たな高みを目指す「梯子」として機能します。

HUB PLUSからあなたの?へ

AIツールの活用は大学によって賛否がありますが、ビジネス英語においては大きなタイパを生む強力なサポートになります。これはサボることではなく、効率よく学び、自分の考えを伝える力を磨く方法です。点数や文法だけでなく、実際の場面で活かせるスキルや柔軟な思考力を養うことが重要です。英語はグローバル社会で活躍するためのツール。AIを味方に、効率よく未来への準備を進めましょう!

Stay ambitious. Stay studious !

この記事の執筆者
ミッシェル

現役シニアiU生。雙葉学園から慶應義塾大学を卒業後、日系航空会社に入社。マーケティング&セールスからDX部門まで、エアラインビジネスの最前線に従事、働く女性の時代を駆け抜ける。 会社人生の終盤に、地元に新設されたiUに入学し、二度目の大学生活をスタート。2年次にZ世代学生2名と(株)MediAlphaを設立。幼少よりQUEENをこよなく愛し英国かぶれ。趣味はスポーツ観戦、ワイン(飲むリエ)、茶道(裏千家)。

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